営業研修その27 ― 退社

家に帰る

退社
営業に精を出して、一日の仕事が終われば家に帰ることになります。
したがって、ここで「退社」というのは、「退職」のことではなくて、日々の業務が終わってからの退社のことです。
いつも定時に帰れればそれが一番いいのはもちろんですが、営業マンにとっては毎日定時に帰ることは非常に困難な問題だといえるでしょう。
中には、家に帰るのは着替えをとりに行くのが目的、という営業マンもいるかもしれません。
何より、外回りから戻ってきた時点で定時を過ぎていた、などということがざらにあるものです。

退社

定時であろうと、残業であろうと、退社の仕方にもマナーはあります。
黙っていつの間にかいなくなるのは論外で、まだ会社に残っている人に「お先に失礼します」と一言あいさつをします。
退社するときは、その日の仕事を終わらせたことを確認し、可能なら翌日のスケジュールを確認します。
前日から翌日の段取りを決めておくことで、翌日の業務をスムースに行うことができますし、業務の効率化は必ずや早い退社時間をもたらしてくれます。
また、机の上を整理して、ゴミ箱を空にしておくと、翌朝気持ちよく仕事に入ることができます。

残業

残業をする場合は、何時までに終わらせるかを意識していないといけません。
自分でリミットを設定しなければ、最終的には会社と自宅のどちらに住んでいるのかが分からなくなってしまいます。
営業イコール残業のようなところがありますので、早く帰ろうとするなら、そのための計画を事前に立てる必要があります。

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営業研修その26 ― 身だしなみ

人は見た目が大事

営業の成否を左右するのは第一印象だといわれています。
第一印象を決めるのは外見で、服装などが重要になってきます。
したがって、営業マンにとっては、身だしなみを整えることがマナーだとされています。

服装

スーツ
営業マンは、清潔感とさわやかさを演出したいものです。
そのため、営業マンが身にまとうことを許された服装は、スーツだけです。
たとえ夏の暑い時期であっても、ネクタイと上着を欠かすことはできません。
スーツに関しては、常に襟や折り目に気をつけて、アイロンを当てることを忘れてはいけません。
ワイシャツものりを利かせたり、アイロンをあてておきます。
もちろん、汚れには注意をします。
食べこぼしなどのしみはもってのほかですが、意外と忘れがちなのが、肩に乗ったフケです。
営業マンの肩にぽつぽつと白い粉が乗っていては、不潔な印象をもたれてしまいますので、フケが出ないように毎日洗髪します。

そのほか

そのほか細かい点では、目やに、鼻毛などがあります。
どちらも、鏡でチェックして取り除いておきます。
そして、実際には一番重要かもしれない問題に、体臭の問題があります。
営業として面談中、強烈な臭いでお客様を不快にさせてはいけません。
体臭の対策としては、毎日の入浴に加えて、コロンや香水を使います。
口臭に関しては、訪問前に歯磨きをするほか、にんにくなど臭いの強いものを食べないようにしておきます。
また、前日の飲酒も臭いの原因となるので、なるべく飲酒も控えます。

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営業研修その23 ― 電話応対

掛かってきた電話

電話
営業マンであっても、社内にいれば電話がかかってくればそれに出ることがあります。
掛かってきた電話は、ナンバーディスプレイに対応した電話機を使っていて、電話機のモニターに電話番号が表示されない限り、誰から掛かってきたか分からないのが普通ですから、大体いつも同じように対応します。
すなわち、自社名を名乗ってから、相手の名前と用件を確認するだけです。
外回りの営業マンにとって、出先で掛かってきた上司の電話には出たくないのが本音かもしれませんし、自分の携帯電話なら居留守も使えますが、社内の電話でそれをやるわけには行きません。

電話の掛け方

営業マンとしては電話は受けるよりも掛ける方が多くなるかもしれません。
電話をかけるときも、基本的にはこちらの社名と名前を名乗り、用件を伝えます。
営業マンが会社相手に電話を掛けるのは、面談のアポイントをとることが目的ということが多いでしょうから、明るく元気な声で話すようにしましょう。
最初に電話に出た相手が目的の相手かもしれませんし、ひょっとしたらその上司かもしれません。
ぞんざいな対応で心象を悪くしては意味がありません。
したがって、常に営業マンは自分をよく見せる努力を怠ってはいけません。

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営業研修その22 ― 接待

接待

営業といえば接待、という時代がかつてはありました。
しかし、バブル崩壊後の長期的な不況の影響で、企業の接待交際費は削減される傾向にあり、一切の接待を禁止する企業が出てくるようにもなりました。
また、企業経営者にアンケートをとったところ、半分以上の経営者が接待は止めるべきだと考えているという結果が出たほどです。
したがって、接待をすることがなくなっていくのが時代の流れかもしれませんが、すぐにまったく必要がなくなるということはないでしょうから、接待のマナーについても知っておく必要があります。
ことに、接待にはアルコールが絡むことがほとんどですので、酒席での失態だけは避けなければいけません。

マナー

営業の一環で接待をするわけですから、契約につなげたいという下心を持って臨むわけですが、接待の場で取引の話を出すことは普通は嫌われます。
あくまでも接待は接待と割り切って、お互いが仲良くなれればそれで目的を達成というくらいの心持で十分だということです。

ゴルフ

接待で広く行われているのは、飲食とゴルフです。
ゴルフの場合は、日ごろから練習をして、それなりの腕前を身につけておく必要があります。
手加減できるほどの腕前があるのが理想でしょうか。

酒席

接待
飲食の場合は、大抵が酒席となりますので、そこでは接待する側の自分は飲むアルコール量を制限します。
そして、相手の話の聞き役に徹します。
適度に相槌を打ちながら、相手のグラスが空になったらすぐに新しいものを注文したり、グラスに注いであげます。
もっとも、相手を酔いつぶれさせてその隙にハンコを押すわけにも行きませんから、酒席はほどほどのところで切り上げます。
いずれにしても相手に気分よくしていただくのが目的ですから、接待をする営業マンとしては、普段の商談よりも余計に気を使うことになるでしょうか。

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営業研修その21 ― 訪問マナー

訪問してからが勝負

営業マンは、会社から飛び出して個人宅や事業所を訪問しなければ始まりません。
実際に足を運んで直接売り込まなければいけません。
もっとも、営業には、「内勤営業」といって、一日中会社の中にいて営業をするスタイルもありますので、一概には言えませんが、内勤営業であっても、取引先に訪問することに一度や二度はあるものです。
したがって、外回りの営業はもちろん、内勤営業においても顧客のところに訪問するわけですから、訪問時のマナーについても知っておかなければいけません。

訪問のマナー

受付
ここでは、一般的な会社訪問のマナーについて説明していきます。
営業マンは会社を代表して訪問するのですから、基本的なマナーを知らないでいることは、自分が営業実績を上げられないというだけでなく、以後自社がその会社と取引できなくなる可能性まで含んでいることは念頭においておきましょう。
約束をしての訪問の場合、約束の時間に遅れてはいけません。
遅くとも約束の時間の10分前には到着するようにします。
新規営業の場合はその限りではありません。
寒い時期でコートなどを着ている場合は、会社に入る前に脱いでしまいます。
マフラーや手袋はカバンの中に、コートは片手に掛けて持っておきます。
中に入ったら、受付があれば受付で取次ぎを頼みます。
会社名と名前を名乗り、面会を予定する人の名前を告げます。
相手が出てくるまでは、勧められない限り立ったままで待ちます。
相手が出てきたら、椅子に座って待っていれば立ち上がってあいさつをします。
訪問時のマナーによって相手に好印象を持たれることは難しいのですが、逆に心象を悪くすることは簡単ですので、失敗をしないように気をつけるしかありません。

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営業研修その13 ― 応接室への案内

滅多にしないけど

営業マン自身が来客の応対をすることは、そんなにはないことかもしれません。
いつもは営業に出かけていって、来客として対応されるほうでしょう。
しかし、いつ自分が来客の対応をしなければいけなくなるか分かりませんから、基本的なマナーとしてもう一度振り返って見ましょう。
応接室

応接室にご案内

来客の応対の仕方は、営業に出かけた先で相手が自分に対してどのように応対しているかを観察して、自分が応対するときにはそのとおりに行えばよいわけです。
応接室に案内するときには、お客様の斜め前に位置して歩きます。
自分だけ颯爽と歩いていって、お客様を置いてけぼりにしてはいけません。
相手が付いてこれる自然なスピードで歩きましょう。

階段

階段の上り下りをするときは、お客様が手すり側になるように誘導します。
原則としては、お客様より上に立ってはいけないので、下りではそのまま自分が先に立ちますが、のぼりの場合は、お客様を先にして上っていくことになりますが、そこまで気にするお客様はどのくらいいるでしょうか。
上りの場合も自分が先に上って行くほうが自然かもしれません。

エレベーター

エレベーターに乗るときは、お客様を先に乗せます。
中に入ったら、お客様が左奥、自分が操作パネルの前に立ちます。
降りるときは、ドアの「開」ボタンを押しながら、お客様を先に降ろします。

応接室に到着

応接室に着いたら、ドアをノックして「失礼します」といいながらドアを開けます。
誰もいないことを確認して中に入りますが、入り口のドアはもちろんお客様のために自分がおさえておきます。
ドアが内開きか外開きかによって、先に入ってドアを押さえるか、お客様を先に入れて自分が外からドアを押さえることになります。
上座をすすめて、退出するときはドアの前で「失礼します」と一言お辞儀をして退出します。

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営業研修その12 ― 来客対応

基本はされる側

営業マンとして日夜外を飛び回っていれば、来客の応対をすることはあまりないのが普通かも知れません。
むしろ、自分が来客として応対されることのほうが多いでしょう。
だからといって、来客の応対に関する知識がまったく必要がないということにはなりませんので、しっかりと確認をしておきましょう。
来客対応

応対方法

来客の応対であっても、基本的には営業と同じことが言えます。
やってきたお客様は笑顔で明るく出迎えます。
大体の場合、相手が名乗りますので、名前と用件をしっかりと確認します。
そして、約束があって訪問してきたお客様であれば、担当者に連絡をしてお客様をご案内します。
営業マンが社内にいるということは、処理しなければいけない業務があってのことでしょうから、気持ちよく応対して速やかに担当者に押し付けてあげましょう。
もちろん、そのような気分を表に出してはいけません。
もし、来訪者がセールスであった場合は、同じ境遇に同情して話を聞いてあげる、わけには参りませんから、手順どおりに丁重にお断りをします。
この場合も、無下に追い払うのではなく、失礼のないように対応します。
たとえば、担当者が外出していたりして席を外していることにすれば特に失礼にはあたりません。
営業マンなら、そのようにして追い返された経験があるものです。

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営業研修その7 ― 聞き方

話すだけでは駄目

営業は、商品やサービスをセールスするのが目的ですから、話す技術が求められることは間違いありません。
しかし、話す力だけでなく、営業マンには相手の話を聞く力も必要となってきます。

聞き方

聞く
営業の場面で相手の話を聞く際のポイントは、こちらが相手の話をちゃんと聞いている、という姿勢をアピールすることです。
聞き流せ、ということではなくて、本当はちゃんと聞いているのに、相手からは話を聞いていないように見えてしまっては意味がありませんし、それでは話を聞いていないのと同じことになってしまいます。
普段から行っていることでしょうが、人の話を聞いているときは相槌を打ちます。
営業の場合も同じで、適当な間隔で相槌を入れたり、うなずいておきます。
いかにも話を聞いているぞ、と相手に思わせるちょっとしたテクニックとして、メモを取るというものがあります。
さすがに、相手の個人的な話でメモを取ることは控えたほうがよいのですが、商談に関係のある話であれば、適度にメモを取っていきます。
世間話であっても、どんな話をしたかを訪問のあとでメモをしておくと、今後の訪問のときの会話のきっかけを拾い出すことができます。
もう一つのポイントは、話の合間に質問をすることです。
適度に質問をして、相手の話を膨らませることに成功すれば、相手は気持ちよく話をすることができます。
一般論として、人は話を聞いてもらうとうれしいものですから、上手に相手におしゃべりをさせることで、こちらの好感度を上げることができます。

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営業研修その6 ― 話し方

話し方もおろそかにせず

話す
営業には営業の話し方というものがあります。
営業マンはその話し方をも武器にして契約に結び付けていかなければいけません。

笑顔で

話し方といっても、その基本は日ごろの会話と大きく違うものではありませんが、相手の目を見ながら笑顔で話すようにしますが、最初から最後まで目を見続けるのも常識はずれですので、基本的に、という認識でいてください。

身振り手振り

相手にこちらのサービスや商品に興味を持ってもらうのが目的ではありますが、だからといって、一方的に説明をまくし立ててしまってはいけません。
また、言葉だけでなく、身振りを交えながら話をすると、よりいっそう相手を話に引き込むことができるかもしれません。
相手によっては、早口でまくし立てたほうがいい場合もありますが、一般的にはゆっくりしゃべって相手がこちらの説明についてきていることを確認しながら話します。
落ち着いた雰囲気をかもし出しながらゆっくりと説明し、相手がこちらの話に興味を持ってきたことが確認できたら、身振りを交えながら熱く説明を続けることも効果的です。
また、説明に終始するのではなく、途中でユーモアを交えることも効果的です。

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営業研修その5 ― 敬語

標準語は敬語

敬語
営業マンが身につけておくべき言葉遣いは敬語です。
営業マンたるもの敬語を自由自在に操れなければ話になりません。
そもそもビジネスパーソンとしては、日常的に敬語を使うのが当たり前ですから、いまさら確認するまでもないことかもしれませんが、いつも使っているからこそ間違っていても気づかずに惰性で使用しているかもしれませんよ。

敬語は三種類

敬語は3つの種類、すなわち、尊敬語、謙譲語、丁寧語です。
尊敬語は、相手を敬うときに使うもので、要するに目上の人に対して使用する言葉です。
たとえば、「おっしゃる」「いらっしゃる」など、あるいは「お客様」「ご主人様」の「お」「ご」「様」が尊敬語にあたります。
謙譲語は、へりくだった表現で、自分を下げることで相手への敬意を表現します。
「拝見します」「させていただきます」などが謙譲語にあたります。
丁寧語は、物事を丁寧に表現することで相手に敬意を表す言葉で、立場の上下は関係なく使用することができます。
「です」「ます」や「お」「ご」などが丁寧語にあたります。

よく使う表現

営業の場面で使いそうな表現としては、次のようなものがあります。
いつもお世話になっております
恐れ入ります
かしこまりました
おかげさまで~
お答えいたしかねます
申し訳ございません
これだけではありませんので、常日頃から意識して敬語を使うようにします。
とっさに正しい表現が出るようになるには、何度もその言葉を使う以外にありません。

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